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1ー2.響カリンは地元企業で社畜する

2025-02-06 21:43:23

 それにしても、エクステ、めっちゃかっこいかった。

「ヒビキ。あいつ一度、コロしてくれない」

「いいんですか? 社長」

「じゃんじゃんコロして」

「じゃ、遠慮なく。これで、今月二人目になります」

「あれ? そうだった? もう一人は誰?」

「会長です。うちの引き籠り、ヤッチャってって、先週」

「そうだった? でも、あのカスは常時依頼案件だから」

「そういえば先々月も頼まれました」

「だめじゃなーい。納期守らなきゃ。プロジェクト・リーダー失格だよ。なんてね」

「して、ヤツメをコロした報酬は? 殿」

「うむ。白いエクサスでどうじゃ」

「あの、白いエクサスでございますか?」

「悪い話ではなかろうて、近江屋。もともとうちがお金出して買わせたんだったよね、あの車って」

「御意」

「では、頼んだ。7月末までに納品してね」

「御意」

「冗談はさておき、もうこんな時間。帰ろ。乗っけて行くよ。乗りたいって言ってたよね、ポルポル」

「ホントですか? あー、でも、車置いて帰ると明日メンドーなんで今度にします」

「朝、迎えに行ってあげるよ。トール道だし」

(それは、アナタのトール道よ)か。女バスの川田先生お元気かな。

「どうした? ぼうっとして」

 あ、思い出に浸ってしまった。

「いえいえめっそーもない。社長にお迎えされるなんてしたら、スカート履き忘れちゃいそうです」

「あー、それ知ってる。朝、スカート履くの忘れて電車乗るOLの話でしょ?」

「かわいそうですよね。気付いた時のこと考えると」

「ふーん。そういう反応なんだ、最近の若い子は。あたしらのころはバカだねーって感じだったけどね。まあ、そもそも論でヒビキはスカート履かないけど」

 社長、少し疲れてるのかな。なんだか背中が曲がって見える。

「じゃあ、気を付けて帰んなよ。スピード出すな。あんたはうちのホープなんだから」

「お疲れ様でした」

「あとよろしくね」

 ポルポルか、いいな。飛ばすと気持ちいいんだろうな。

 カイシャ誰もいない。いつものことだけど。

「さ、ちゃっちゃと議事録作って帰ろ」

 なんだかんだで、結局2時か、帰るのメンドーになっちゃった。顔洗って寝よ。

ありゃりゃ、電動歯ブラシの毛先、広がっちゃってる。替えもなくなったし、お泊りセットそろそろ新しいのと変えなきゃね。

あと替えPとかも用意しとかないと。P一枚で二日間はサスガニ。これでも乙女だから、あたし。

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